教育・研究の内容紹介 〜 解析学

微分方程式論

物体の運動をはじめとする自然現象の多くは、微分方程式、すなわち未知関数とその導関数に関する方程式によって記述することができます。物理で学ぶニュートンの運動方程式も、微分方程式の一つです。ここでは、解の存在と一意性及びその性質について詳しい解析を行っています。さらに具体的な物理現象や、人口の推移などといった様々な分野における現象を数学的にモデル化し、統一的に解明する試みを行っています。

微分方程式と波の重ね合わせ

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波動方程式
1次元の波動方程式

一見複雑に見える波の運動も、波動方程式という微分方程式で表すことができます。波動方程式が線形性という性質をもつので、波の運動には「重ね合わせの原理」 (ひとつの波動方程式のふたつの解の和が, また同じ方程式の解である) が成立します。このため、複雑な波形を、単純な振動がいくつも積み重なったものとして理解することができるのです

確率論・統計学

時間の変化とともに変動する偶然事象を解析する研究を行っています。溶液中の小さな花粉はブラウン運動と呼ばれる不思議な動きをしますが、これを数学的に取り扱っています。応用としては、経済予測、投資理論やデリバティブ取引などと相互に関連しており、そのつながりは世界的規模で拡大しています。また、ノーベル賞の経済学部門の研究においてもおおきな役割を果たし、新しい理論の創造が期待できる分野です。

ブラウン運動をする粒子が、t秒後にあり特定の範囲に到達している確率はガウス分布曲線で囲まれた部分の面積で求めることができます。ガウス分布曲線はドイツの10マルク紙幣の中に、ガウスの肖像の横に描かれています。